1.「かとく」とは

「かとく」とは,「過重労働撲滅特別対策班」の通称名です。
労働基準法や関係法令に違反,または違反している疑いがある場合で,特に悪質な長時間労働を強いているような企業を対象とし,大規模・調査困難なケースでも企業本社などへの監督指導,広域捜査活動を迅速かつ的確に実施できるよう,2015年4月に,厚生労働省によって東京労働局と大阪労働局に新設されました。

「かとく」は,改ざんされたデータを復元する「デジタル・フォレンジック」という専門的技術などを有しており,さらに,捜査権限や,違法な業者を検察庁に送検する権限を持っていますので,いわば,過酷な長時間労働を強いる企業を摘発・排除する,専門かつ強力なスペシャリストといえます。

「かとく」が設置されて以降,東京・大阪を中心に様々な企業が調査対象となり,そのような企業の中には,著名な会社も多く含まれています。
さらに,2016年4月からは,広域捜査の調整役となる「本省かとく」や,全国全ての労働局に,長時間労働に関する監督指導等を専門に担当する「過重労働特別監督監理官」が設置されております。
今後も,長時間労働に対する行政の取り締まりは,強化されていく傾向にあるといるでしょう。

2.私の残業代はどうなるの?

ところで,「かとく」の調査対象となった企業にお勤めである,またはお勤めだった方には,企業から自主的に,顧問弁護士などを通じて,残業代の未払いを認めるとともに,残業代を支払うという文書が送られてくることがあります。
しかしながら,企業が「支払う」というこの残業代は,実は,計算が正確でなく,非常に少ないことがあります。

その原因としては,企業側が,労働時間の一部を認めていなかったり,「残業代の一部は既に〇〇手当として支払っている」と一方的に考えているなど,様々です。
そのため,企業側から自主的に残業代が支払われたとしても,その内容が十分でないこともあるため,「「かとく」が調査に入っているんだから,正しく計算されているだろう。」などと安易に考えてしまうことは,おすすめしません。

また,以上のように,残業代を認めている場合でさえ不正確な計算をしていることがあるのですから,以前お勤めだった方で,このような文書が来ていない方も,「そんな文書は来てないし,自分には関係ない」と直ちに判断する必要もありません。

当事務所は,このような「かとく」の調査対象となった企業に対する残業代請求も取扱っております。
そのため,上記に当てはまり,企業から支払われた残業代の内容に疑問に思われた方は,一度弁護士に相談することをおすすめします。

この記事を読んだ人は、以下の記事も読んでいます