記事監修
法的には問題があるのですが、いまだにタイムカードなど労働時間の把握を行っていない会社が見受けられます。しかし、労働時間の把握は残業代請求や過労死の認定など、さまざまな面で重要になってきます。
では、タイムカードがない場合に労働時間を把握するためにはどのようにすればよいのでしょうか?
1. パソコンのログが有用
タイムカードがない場合には、パソコンのログを取得する方法が有用です。何時にパソコンを立ち上げ、何時まで稼働させていたかが目に見えてわかるからです。
2. ログの取得方法
(1) windows7でのログの取得方法
- 「スタート」の中の「コンピューター」を右クリックし、「管理」を選択します。
- 「コンピューターの管理」の中に「イベントビューアー」というものがありますので、これをダブルクリックしましょう。
- 「カスタムビュー」「アプリケーションとサービス」などに並んで「windowsログ」がありますので、これを選択します。
- 「windowsログ」の中の「システム」を右クリックし、「すべてのイベントに名前をつけて保存」をクリックします。
- 「名前を付けて保存」する場所を聞かれますので、保存場所を選びましょう。
- 「保存」ボタンを押すと「このログを別のコンピューターで正しく表示できるようにするには、表示情報が必要な場合があります。」と表示されます。ここでは「表示情報なし」を選択し、OKボタンで次に進みましょう。
- ログが保存されました。
(2) windows10でのログの取得方法
- スタートボタン(左下のウィンドウマーク)を右クリックし、「イベントビューアー」を選択しましょう。
- 「windowsログ」の中の「システム」を右クリックし、「すべてのイベントに名前をつけて保存」をクリックします。
- 「名前を付けて保存」する場所を聞かれますので、保存場所を選びましょう。
- 「保存」ボタンを押すと「このログを別のコンピューターで正しく表示できるようにするには、表示情報が必要な場合があります。」と表示されます。ここでは「表示情報なし」を選択し、OKボタンで次に進みましょう。
□イベントIDとは
イベントIDとは、パソコンの起動時間や終了時間を特定してくれるIDになります。Windows7の場合には6005-6006、Windows10の場合には6005-6006もしくは7001-7002に設定しましょう。
3. パソコンを使わない職種の場合
中には、「外回りがメインなのでパソコンは使わない」という人もいるかもしれません。その場合には、どのように労働時間を立証すれば良いのでしょうか。
もっとも簡単な方法は、手書きのメモを残しておくことです。手帳への書き込みや日記でも証拠として有用ですので、必ず毎日メモするようにしましょう。また、最近では労働時間を記録してくれるアプリもあります。大切なのは、継続的に記録することです。
4. まとめ – ログは強い証拠
残業代請求をするにも、労災認定を申請するにも、まずは労働時間が確定できなければなりません。この点、ログは非常に強力な証拠として働いてくれます。実際の裁判でも「デスクワークをする人間が,通常,パソコンの立ち上げと立ち下げをするのは出勤と退勤の直後と直前であることを経験的に推認できるので,他に客観的な時間管理資料がない以上,当該記録(引用者注 ログデータ)を参照するのが相当」(東京地裁平成18年11月10日判決)として、証拠としての価値を認めた裁判例があります。
証拠集めは労働者本人にしかできないことも多いですから、ぜひログの取得方法をマスターしましょう。
また、実際の請求についてわからないことがあれば、すぐに弁護士に相談してください。
監修弁護士
執筆者:勝浦 敦嗣(かつうら あつし)
所属:第二東京弁護士会所属
-監修コメント-
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