記事監修

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「残業代ゼロ法案」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。
これは2015年4月に閣議決定された法案で、「残業代がもらえなくなるかもしれない」と、大きな話題を呼びました。
しかし、そもそも「残業代ゼロ法案」とはどのような法律なのでしょうか。
また、この法案のメリットやデメリットはどこにあるのでしょうか。
1. 「残業代ゼロ法案」とは
実は「残業代ゼロ法案」とは、そのような名前の法律があるわけではありません。
労働基準法の改正案として、新たに設けられた「高度プロフェッショナル労働制」を定めた部分を指します。
これはそもそも欧米で採用されている制度で、「ホワイトカラーエグゼンプション」ともよばれています。
「高度プロフェッショナル労働制」とは、高い専門能力を持つ人を対象に、成果型報酬制労働時間を採用する制度です。
つまり、専門能力のある人には、仕事の時間に対して賃金が支払われるのではなく、仕事の成果に対して賃金が支払われるということです。
この制度が採用されることで、対象者には「時間外労働」という概念がなくなります。そもそも時間に縛られて働いていないからです。同じように、時間外手当や深夜の割増賃金も支払われなくなります。このことを指して「残業代ゼロ」と呼ぶのです。
国としては、「時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能力を十分に発揮できるようにするため」にこの制度を導入するとしています。
2. 法案のメリットはあるの?
「残業代ゼロ」というとあまりよくない響きですが、もちろんこの制度を導入するメリットもあります。
残業代ゼロ法案を支持する人は、高度プロフェッショナル労働制を導入することで、「仕事が終わっても帰れない」という日本の職場の意識改革をしていこうとしているのです。
3. デメリットとして考えられるのは?
残業代ゼロ法案のメリットについて述べてきましたが、みなさんが想像するように、デメリットも多く見られます。
残業代ゼロ法案に反対する人は、現在の日本の職場環境に高度プロフェッショナル労働制が合わないことを理由とします。欧米では自分の仕事をやり切ったら帰るというのが当たり前ですが、日本はそうではないですね。そのため、せっかく高度プロフェッショナル労働制を導入しても、ただサビ残が増えてしまうだけだというのです。
4. 対象の職種は?
対象となるのは、「高度の専門的知識、技術又は経験を要する」とともに「業務に従事した時間と 成果との関連性が強くない」業務です。
現在の厚生労働主案では、具体的に以下の職種が対象になると述べています。
ただし、これらの対象職種であっても、「残業代ゼロ法案」を適用するためにはいくつかの条件があります。
適用条件とは
労働者があまりに低い賃金とならないよう、一応の配慮はされているようです。
これらの条件も踏まえた上で、現時点で対象となる人は、サラリーマンのうち4%ほどです。
5. いつからスタートする可能性がある?
残業代ゼロ法案は、当初2016年4月から施行する予定でした。
しかし、参議院選挙があったことから開始が遅れ、2016年9月現在いまだスタートしていません。
既に閣議決定の段階まできていることから、年度内には法案が成立し、2017年中には運用が始まるのではないでしょうか。
監修弁護士
執筆者:勝浦 敦嗣(かつうら あつし)
所属:第二東京弁護士会所属
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