プロ野球選手などの契約更改などで話題となる年俸制、近年企業でもこの年俸制を取り入れるところが増えてきています。年俸制は、一般的な月給制とどんなところが違うのでしょうか。年俸制は、給与の金額を1年単位で決めることです。ただし、労働基準法で「毎月1回以上の支払いが原則」と定められているため、一括ではなく、12分割して、毎月支給するケースや、16分割して、夏冬に2カ月分の金額を賞与として支給するケースなどがあります。

月給制のメリットは、安定した給与が支給されることや将来展望が立てやすいことなどがあげられますが、年俸制のように成果や実力に応じた飛躍的な給与アップが起きにくいことがデメリットとして挙げられます。

年俸制は、前年度の仕事の成果や実力がストレートに給与につながるシステムです。月給制では考えられないほど、収入が増えるケースがあることや、年間の収入があらかじめ分かっていますから、計画が立てやすいというメリットがあります。

逆に、どれだけ成果を上げても、直近の給与には反映されず、意欲がそがれることや、成果を残すことができなければ、翌年の年俸が大幅に減少してしまうデメリットがあります。年俸制を採用しているプロ野球選手が、前年度活躍して大幅に年俸がアップしたが、翌年故障などで活躍できず大幅に年俸がダウン、税金の支払いに苦労したなどという話がありますが、それほど大きなアップ・ダウンはなくても、5年、10年という長期的な計画はちょっと立てづらくなります。

年俸制でも残業代は請求できます

年俸制だから、残業代なども含まれていて、どんなに残業しても残業代を請求できないのではないかと思われている人がいるようですが、それは間違いです。この年俸制は、あくまでも月給の基本給に該当するものと考えられています。

したがって、年俸制だから、残業代を請求できないなどということはありません。あなたが、時間外労働(残業)をした場合、法定休日に仕事(休日手当)をした場合、深夜時間帯に労働(深夜手当)をした場合は、使用者は基本賃金に定められた利率をかけた割増賃金を支払わなければならないと決まっています。

残業代を支払わなくてもよい場合もありますが、その中に年俸制は含まれていません。年俸制のあなたも、残業代を請求し、支払ってもらうことができるのです。年俸制を理由に、残業代を支払わないのは、違法となります。