新しい仕事につくとき、まず気になるのは労働条件ですよね。しかし、雇用契約書はどのように読み込めばよいのでしょうか。

今回は、雇用契約書でチェックすべき4つのポイントについてまとめてみました。

労働条件は、就業規則と雇用契約書によって定義されていますが、異なる場合については下記をご確認下さい。
就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合、どちらが優先される?

1.労働基準法を下回る条件ではないか

まず確認すべきは、労働基準法を下回る契約ではないか、という点です。労働基準法という法律は、「労働条件の最低基準」として機能します。そのため、労基法を下回る労働契約は無効となるのです。代表的な「最低基準」として、以下の部分をチェックしましょう。

  • 残業代の割増率が二割五分以上五割以下であること(労基法37条)
  • 賃金が最低賃金を超えること(参考:2016年10月東京・932円、なおこれは最低賃金法による)

同じように、できれば就業規則との整合性も確認すべきでしょう。就業規則も、労基法同様、労働条件の最低基準として機能します。そのため、万が一自分の締結した労働契約よりが就業規則に記載された条件よりも低いものであれば、これを無効とすることができるのです。

2.残業代はどのように支払われるのか

仕事をするうえでもっとも気になるのが、残業代についてではないでしょうか。残業代について確認する際には、まず固定残業代制をとっているか、という点をチェックしましょう。

固定残業代とは、残業時間にかかわらず、あらかじめ一定の残業代を支払うという制度です。このような制度自体は適法ですが、以下の要件を充たす必要があります。

  1. 通常の労働時間の賃金に当たる部分と、時間外の割増賃金に当たる部分とを判別することができる
  2. 労基法所定の計算方法による額が、固定残業代として定められた額を上回るときは、その差額を支払うことが合意されている

つまり、固定残業制を採用する場合には、就業規則において「基本給○円、残業代○円」と明確に定めておく必要があるのです。
なお、年俸制の場合も残業代部分は明確にしなければならず、1年間の給与を包括的に記載したのでは足りません。固定残業代というのは、残業代に上限を設定するものではありませんので、長時間残業した結果、固定残業代以上の残業代が生じた場合は、超過部分は当然に請求をすることができます。

なお、固定残業代と基本給のバランスもよく確認してください。必要以上に基本給を低く抑え、その分を固定残業代として支給することで、残業代をの支払を免れようとするブラック企業もありますので、気をつけてください。

3.休みはいつなのか

「休み」といっても様々な種類の休みがありますね。

週単位の休日

まず、毎週ごとの休日について、法律は原則として「労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」としています。場合によっては変形週休制(休日を1か月単位で考える制度)などもありますが、基本的には最低でも週1回は休日がなければなりません。

年単位の休日(年休)

次に、年休ですね。これについては、法律の定めがあります。

(年次有給休暇)

第三十九条  使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

年休は労働者の権利ですから、必ずとることができます。年休について記載がない場合には、使用者に確認しておきましょう。
最後に、子どもの看護休暇や介護休暇についてです。これに関しても法律上、一定の要件のもと取得することができるとされています。労働契約の中にこのような記載がない場合でも休みをとることはできますが、念のため、職場での運用状況について確認しておいた方が良いでしょう。

4.試用期間はいつまでか

試用期間中は正式採用後に比べると、会社からの解雇がしやすく従業員は不安定な立場に置かれてしまいます。試用期間は長くても1年程度ですので、1年を超えるような試用期間が定められている契約については少し気を付けた方がよいと思います。

5.まとめ – 問題が起こる前に対処する

雇用契約書を読み、疑問に感じたことがあればすぐに使用者に問い合わせてください。法律的な疑問であれば、弁護士に相談するのもひとつの手です。実際に働いてみて、問題が起こってからは、対処するのに時間も手間もかかってしまいます。トラブルは事前に回避するようにしましょう。